ベルリンの中心で、中村屋と叫ぶ。 05/21/2008
まさか来るとは思っていなかった、というよりそんなことすら思いつきすらしなかった。もちろん、それに行くことができるなんて思ってもいなかった。
中村勘三郎率いる平成中村座のベルリン公演、そしてその鑑賞。


海外で暮らすと覚悟を決めた以上、日本ではごく当たり前にしていたことを沢山諦めなければいけないのは当然のこと。が、趣味や習い事に何故か『和』なものが多い私にとって、これは結構辛いことなんです。
そんな悶々とした日々を送っていた時に目にした『平成中村座・ベルリン公演』の情報。
去年その情報を知って以来チェックは欠かさなかったので、販売日にすぐチケットを購入。その結果、非常にいい席を予約できました。とはいえ、場所が変われば舞台構造も変わるので、歌舞伎座や松竹座よりは舞台がよく見えるだろうということ以外は、それほど期待はしていませんでした。
が、実際劇場に行ってびっくり。
なんと、私達の目の前の通路が、花道になっていたのです!
その劇場の客席は前後二カ所に別れていて、その間が通路になっていました。
で、歌舞伎用の劇場ならまっすぐ長い距離のある花道が、その劇場にはわずかな距離分しか無かったので、花道から繋がり横に貫いているその通路を続きの花道として利用していたのです。だから俳優陣の顔を間近に見ることができたのです(^^)!いやー、勘太郎さん、お祖父様(中村芝翫さん)にそっくり、七之助さんの方がお祖父様に似ていると思っていたんだけどな〜、とか、こういった観察が可能だったわけです♪
さて、客層は、日本人客もいるけれど、意外にドイツ人の客が多いな〜と感じました(3分の2はいた)。何故か着物(というか浴衣?)を着たスペイン人を含む多国籍グループのような面白い面子もいました。
そして、うれしいことになんと満席。当日券を購入しようとチケット売り場で粘っていたドイツ人男性に、売り場担当の女性が
「今日はもう売り切れなんですよ!」
とにべもなく答えていたシーンを目撃しましたし。街中に平成中村座のポスターは一枚もなかったように思えたので、他に客が来るのかどうか心配していたのですがw、やっぱりこういった舞台に興味のある人は、自分から情報を求めているからそれは問題ないのでしょうね。何より、ドイツ人客が多かったことに安堵感を覚えましたw。
以下は若干ネタバレになっています。差し支えのない方のみお読み下さい。
また、今回は手作り石鹸ネタは全くといっていいほどありませんので、興味のない方はスルーしてくださいね。

平成中村座の上演された『世界文化の家(Haus der Kulturen der Welt)』
さてさて、演目は平成中村座ではもうお馴染み『夏祭浪速鑑(なつまつりなにわのかがみ)』。
日本人でも有り得ないと思ってしまうほどの義理・人情がてんこ盛りのこの演目、義理人情にはほぼ無縁のドイツ人には理解できるだろうか?と思っていたのですが、例えばドイツ語イヤホンを借りた相方の場合は、内容よりも見得を切る際の表情や殺陣の動き、女形のデフォルメされた動きと、それについてイヤホンから流れてくる説明などにかなり感動したようで、ストーリー自体はあまり分かっていないようでした(^_^;)。まあ、あの歌舞伎独特の動きは知らない人にはかなり面白いだろうし、歌舞伎の台詞回しは、日本人でも最初はガイド無しだとかなり難しいですからね。実際、私も歌舞伎を観始めた時は、イヤホンガイドは手放せませんでした。若干慣れてきた現在でも分からなくなることが多いし…。
サプライズはちょこちょことあった感じ。
まず一番始めに狂言回しとして勘三郎さんのご子息・勘太郎さんが登場したのですが、
「皆様、ようこそ『平成中村座』へ!」
と、なんとドイツ語で話し始めたのです。彼は元々声も口跡も良い役者なので
「僕のドイツ語分かりますか?」
と、慣れないであろうドイツ語もとても上手に話していました。実際客席から拍手が上がったのですが、
「でも僕は、皆さんのドイツ語が分からないんです」
と一言答えてうなだれる彼。その様子に客席一同大爆笑。これで一気に「つかみはOK(死語)」といった雰囲気になりました。
けれども、話自体は割と淡々と進んでいった感じかな?面白演出はいくつかあったけれど、ものすごーく凝った演出はなかったような。NY公演では本物の警官がエキストラで登場したとのことで、そういったサプライズを期待していたんですが、流石お役所仕事天国・ドイツでそれは無理なんでしょうね。
あと、役者達が見得を切った時などに普段はかかる大向こう(「中村屋っ!」「大和屋っ!」といった歌舞伎独特のかけ声)が無かったのは、仕方がないことなのだけれども、やっぱりちょっと寂しかった。大向こうをかけることが出来るほどのベテラン見物客は、流石にドイツまでは来ないのかな?いや、大向こうにタイミングはあっても決まりはないと思うので、私がかけてもいいんでしょうけれど、やっぱり難しいことではあるし、慣れていないことは出来ません(^^;)…。
そんなわけで、全体的に意外と大人しいとは感じたものの、やっぱり歌舞伎の持つ独特の雰囲気に加え、平成中村座特有の『客を楽しませる』演出を味わえた私は大興奮!終了後は城内総立ちでした!
そしてなんと、出演者一行が花道を歩いて観客に挨拶を始めたのです!そうっ、私の目の前を勘三郎さんが、扇雀さんが、弥十郎さんが、橋之助さんが、歩いているんですっ!!
あまりの興奮に
「中村屋っ、世界一!!」
と側に来た勘三郎さんに声をかけさせてもらったところ、勘三郎さんがこっちを見て
「ああ、いや、どうもどうも」
と言ってくれ、なななななんと、伸ばした手に触れてくれたのですっ!!
その他、同じようなかけ声を中村橋之助、中村扇雀、坂東弥十郎各氏にかけさせてもらい、扇雀さんと弥十郎さんには勘三郎さんと同じようにタッチをしてもらえましたっ!!歌舞伎好きが集まる日本の劇場でこれが行われていたら、もっとすごいことになったんだろうな〜。
ちなみに、この様子はもしかしたらテレビに映っているかもしれないとのこと!もし平成中村座欧州公演の特番がテレビで放送され、ピンク色の服を着て嬉しそうな顔をしている長い黒髪の日本人女性が映っていたら、それは多分私ですw。
そんなこんなで、お芝居が終わってからもしばらく興奮冷めやらず、といった感じでした。こんな感情久しぶり!カタルシスを感じることとは最近は本当にご無沙汰しているから、自分の感情が知らない間に鬱積していたのかもしれないですね。
今回は残念なことに(?)手作り石鹸の情報を仕入れることなく旅行は終わってしまいました。滞在時間が1泊2日とかなり短かったので、ブランデンブルク門や連邦議会議事堂といった目玉以外にはほとんど足を伸ばせなかったんですよね。
が、それでも頑張って見つけた石鹸ネタを一つ。

ブランデンブルク門近くにあるフランス文化センター(といったようなところ)のディスプレイにあった、マルセイユ石鹸。こういう様子を見ると、マルセイユ石鹸はやはりフランスの名物として存在しているんでしょうね。
中村勘三郎率いる平成中村座のベルリン公演、そしてその鑑賞。


海外で暮らすと覚悟を決めた以上、日本ではごく当たり前にしていたことを沢山諦めなければいけないのは当然のこと。が、趣味や習い事に何故か『和』なものが多い私にとって、これは結構辛いことなんです。
そんな悶々とした日々を送っていた時に目にした『平成中村座・ベルリン公演』の情報。
去年その情報を知って以来チェックは欠かさなかったので、販売日にすぐチケットを購入。その結果、非常にいい席を予約できました。とはいえ、場所が変われば舞台構造も変わるので、歌舞伎座や松竹座よりは舞台がよく見えるだろうということ以外は、それほど期待はしていませんでした。
が、実際劇場に行ってびっくり。
なんと、私達の目の前の通路が、花道になっていたのです!
その劇場の客席は前後二カ所に別れていて、その間が通路になっていました。
で、歌舞伎用の劇場ならまっすぐ長い距離のある花道が、その劇場にはわずかな距離分しか無かったので、花道から繋がり横に貫いているその通路を続きの花道として利用していたのです。だから俳優陣の顔を間近に見ることができたのです(^^)!いやー、勘太郎さん、お祖父様(中村芝翫さん)にそっくり、七之助さんの方がお祖父様に似ていると思っていたんだけどな〜、とか、こういった観察が可能だったわけです♪
さて、客層は、日本人客もいるけれど、意外にドイツ人の客が多いな〜と感じました(3分の2はいた)。何故か着物(というか浴衣?)を着たスペイン人を含む多国籍グループのような面白い面子もいました。
そして、うれしいことになんと満席。当日券を購入しようとチケット売り場で粘っていたドイツ人男性に、売り場担当の女性が
「今日はもう売り切れなんですよ!」
とにべもなく答えていたシーンを目撃しましたし。街中に平成中村座のポスターは一枚もなかったように思えたので、他に客が来るのかどうか心配していたのですがw、やっぱりこういった舞台に興味のある人は、自分から情報を求めているからそれは問題ないのでしょうね。何より、ドイツ人客が多かったことに安堵感を覚えましたw。
以下は若干ネタバレになっています。差し支えのない方のみお読み下さい。
また、今回は手作り石鹸ネタは全くといっていいほどありませんので、興味のない方はスルーしてくださいね。

平成中村座の上演された『世界文化の家(Haus der Kulturen der Welt)』
さてさて、演目は平成中村座ではもうお馴染み『夏祭浪速鑑(なつまつりなにわのかがみ)』。
日本人でも有り得ないと思ってしまうほどの義理・人情がてんこ盛りのこの演目、義理人情にはほぼ無縁のドイツ人には理解できるだろうか?と思っていたのですが、例えばドイツ語イヤホンを借りた相方の場合は、内容よりも見得を切る際の表情や殺陣の動き、女形のデフォルメされた動きと、それについてイヤホンから流れてくる説明などにかなり感動したようで、ストーリー自体はあまり分かっていないようでした(^_^;)。まあ、あの歌舞伎独特の動きは知らない人にはかなり面白いだろうし、歌舞伎の台詞回しは、日本人でも最初はガイド無しだとかなり難しいですからね。実際、私も歌舞伎を観始めた時は、イヤホンガイドは手放せませんでした。若干慣れてきた現在でも分からなくなることが多いし…。
サプライズはちょこちょことあった感じ。
まず一番始めに狂言回しとして勘三郎さんのご子息・勘太郎さんが登場したのですが、
「皆様、ようこそ『平成中村座』へ!」
と、なんとドイツ語で話し始めたのです。彼は元々声も口跡も良い役者なので
「僕のドイツ語分かりますか?」
と、慣れないであろうドイツ語もとても上手に話していました。実際客席から拍手が上がったのですが、
「でも僕は、皆さんのドイツ語が分からないんです」
と一言答えてうなだれる彼。その様子に客席一同大爆笑。これで一気に「つかみはOK(死語)」といった雰囲気になりました。
けれども、話自体は割と淡々と進んでいった感じかな?面白演出はいくつかあったけれど、ものすごーく凝った演出はなかったような。NY公演では本物の警官がエキストラで登場したとのことで、そういったサプライズを期待していたんですが、流石お役所仕事天国・ドイツでそれは無理なんでしょうね。
あと、役者達が見得を切った時などに普段はかかる大向こう(「中村屋っ!」「大和屋っ!」といった歌舞伎独特のかけ声)が無かったのは、仕方がないことなのだけれども、やっぱりちょっと寂しかった。大向こうをかけることが出来るほどのベテラン見物客は、流石にドイツまでは来ないのかな?いや、大向こうにタイミングはあっても決まりはないと思うので、私がかけてもいいんでしょうけれど、やっぱり難しいことではあるし、慣れていないことは出来ません(^^;)…。
そんなわけで、全体的に意外と大人しいとは感じたものの、やっぱり歌舞伎の持つ独特の雰囲気に加え、平成中村座特有の『客を楽しませる』演出を味わえた私は大興奮!終了後は城内総立ちでした!
そしてなんと、出演者一行が花道を歩いて観客に挨拶を始めたのです!そうっ、私の目の前を勘三郎さんが、扇雀さんが、弥十郎さんが、橋之助さんが、歩いているんですっ!!
あまりの興奮に
「中村屋っ、世界一!!」
と側に来た勘三郎さんに声をかけさせてもらったところ、勘三郎さんがこっちを見て
「ああ、いや、どうもどうも」
と言ってくれ、なななななんと、伸ばした手に触れてくれたのですっ!!
その他、同じようなかけ声を中村橋之助、中村扇雀、坂東弥十郎各氏にかけさせてもらい、扇雀さんと弥十郎さんには勘三郎さんと同じようにタッチをしてもらえましたっ!!歌舞伎好きが集まる日本の劇場でこれが行われていたら、もっとすごいことになったんだろうな〜。
ちなみに、この様子はもしかしたらテレビに映っているかもしれないとのこと!もし平成中村座欧州公演の特番がテレビで放送され、ピンク色の服を着て嬉しそうな顔をしている長い黒髪の日本人女性が映っていたら、それは多分私ですw。
そんなこんなで、お芝居が終わってからもしばらく興奮冷めやらず、といった感じでした。こんな感情久しぶり!カタルシスを感じることとは最近は本当にご無沙汰しているから、自分の感情が知らない間に鬱積していたのかもしれないですね。
今回は残念なことに(?)手作り石鹸の情報を仕入れることなく旅行は終わってしまいました。滞在時間が1泊2日とかなり短かったので、ブランデンブルク門や連邦議会議事堂といった目玉以外にはほとんど足を伸ばせなかったんですよね。
が、それでも頑張って見つけた石鹸ネタを一つ。

ブランデンブルク門近くにあるフランス文化センター(といったようなところ)のディスプレイにあった、マルセイユ石鹸。こういう様子を見ると、マルセイユ石鹸はやはりフランスの名物として存在しているんでしょうね。
っいよっ待ってました!
うわあ。うわあ。
羨ましい…。
素晴らしい役者が登場した途端、ぱっと空気が変わるのも圧巻!
歌舞伎を見た後の、あの高揚感って何でしょうね。
花道でコンタクトを取れたなんて尚更でしょう。
しいなさんの記事を読んで想像しただけでも、どきどきしますよ〜。
大阪松竹座の七月大歌舞伎に多分行きます!
楽しみ♪
うわあ。うわあ。
羨ましい…。
素晴らしい役者が登場した途端、ぱっと空気が変わるのも圧巻!
歌舞伎を見た後の、あの高揚感って何でしょうね。
花道でコンタクトを取れたなんて尚更でしょう。
しいなさんの記事を読んで想像しただけでも、どきどきしますよ〜。
大阪松竹座の七月大歌舞伎に多分行きます!
楽しみ♪
ハタヤ商会 AYA 05/21/2008 Wed URL [ Edit ]
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うわぁ〜!!
すごいすごい!
読んでて興奮しちゃった!
勘太郎さんて、切れ長の目元涼しい方ですよね?
あ〜、なんか情景が目に浮かんでドキドキしてきます。
ベルリン公演の模様は9月にNH○教育で放送されるみたいです。
随分先なので、忘れないようにしなくちゃ!
みたら探しますよ〜(^^)
ピンクの服の髪の長い女性♪
すごいすごい!
読んでて興奮しちゃった!
勘太郎さんて、切れ長の目元涼しい方ですよね?
あ〜、なんか情景が目に浮かんでドキドキしてきます。
ベルリン公演の模様は9月にNH○教育で放送されるみたいです。
随分先なので、忘れないようにしなくちゃ!
みたら探しますよ〜(^^)
ピンクの服の髪の長い女性♪
AYAさん
こんにちは!
はい、おかげさまで素晴らしい体験をさせてもらいました(^^)。
歌舞伎独特の高揚感、不思議なことにベルリンでもちゃんと存在していたんですよ!この雰囲気がAYAさんに伝わったようで嬉しいです!
七月松竹座、仁左衛門さんや菊五郎さんを始め、豪華俳優陣ですね!しかも午前の部は『伽羅先代萩』の通しだなんて結構珍しいと思うので、こちらはこちらでうらやましいです。午後の部の熊谷陣屋はまだ未経験なんですが面白そうだし…。どうぞ楽しんできてくださいね(^^)!
こんにちは!
はい、おかげさまで素晴らしい体験をさせてもらいました(^^)。
歌舞伎独特の高揚感、不思議なことにベルリンでもちゃんと存在していたんですよ!この雰囲気がAYAさんに伝わったようで嬉しいです!
七月松竹座、仁左衛門さんや菊五郎さんを始め、豪華俳優陣ですね!しかも午前の部は『伽羅先代萩』の通しだなんて結構珍しいと思うので、こちらはこちらでうらやましいです。午後の部の熊谷陣屋はまだ未経験なんですが面白そうだし…。どうぞ楽しんできてくださいね(^^)!
amiさん
こんにちは!
わー、amiさんにもこの高揚感を感じてもらえて、嬉しいです(^^)!
そう、勘太郎さんは切れ長の目をした、立役が似合いそうな感じの役者さんです。でも血は争えないもので、彼の女形の様子が名女形のお祖父様・中村芝翫さん(中村橋之助さんのお父様です)にそっくりだったんですよ!
おおっ、9月にN○K教育で放送決定ですか!他の日はどうだか分からないんですが、とりあえず私が行った日は、ピンクの服を着た日本人女性は私しかいなかったので、すぐ分かると思います…でもちょっと恥ずかしいっ(/ω\)!
こんにちは!
わー、amiさんにもこの高揚感を感じてもらえて、嬉しいです(^^)!
そう、勘太郎さんは切れ長の目をした、立役が似合いそうな感じの役者さんです。でも血は争えないもので、彼の女形の様子が名女形のお祖父様・中村芝翫さん(中村橋之助さんのお父様です)にそっくりだったんですよ!
おおっ、9月にN○K教育で放送決定ですか!他の日はどうだか分からないんですが、とりあえず私が行った日は、ピンクの服を着た日本人女性は私しかいなかったので、すぐ分かると思います…でもちょっと恥ずかしいっ(/ω\)!
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